船橋市ならしの台生活学校(生活学校生徒・一般消費者)
テーマ「カード時代による悪徳商法の落し穴」
行徳公民館(一般消費者)
テーマ「お金とのつき合い方を見直そう」
あすか倶楽部(消費生活アドバイザーの自主勉強会)
テーマ「デジタルキャッシュ時代をどう生き抜くか」
埼玉県消費生活支援センター(小中高の教員夏季研修)
東京都武蔵野市にある『武蔵野東技術高等専修学校』にて「お金の価値って何だろう」というタイトルのセミナーを行いました。
参加者は3年生の34名。来春の卒業を控え、慣れ親しんだ環境から社会という新しい場へと巣立つにあたり、最も身近で普段あまり深く考えてみることのない「お金」についてあらためて考えてみようというコンセプトです。
最初は少々緊張ぎみだった生徒さんたちでしたが、常日ごろ接している「お金」には、各自がいろいろなエピソードを持っており、講師が話す身近な事例には笑い声や力強いうなずきが起こるなど、教室が活気をおびていきました。
また、問いかけやワークシートに真摯に取り組んでいただいたことで、生徒さんたち自身のさまざまな気づきを誘発することができたようです。
後にいただいた感想文による生徒さんからの「声」を、いくつかご紹介します。
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●「お金」というものの概念が変わり、より考えてお金を使うという考えが生まれました。
● 「お金」に対しては、人の欲望がうずまいていて、その中で私は自分を守りつつ有効にお金を使っていかなければと感じました。
●「お金」に対する価値とはどういうものなのかを改めて知ることができました。
●自分にとって「お金」とは何か?ということや、「お金」の大切さを考えさせられました。
● 騙す人、騙される人にはなってはいけないということを学びました。当たり前だと思っていたことですが、一番大切なことなんだと感じました。
● 私が一番印象に残ったことは、「お金のことをきちんと考える」ということです。お金と幸せな関係を築くためには、お金の事を理解すること、お金を上手く管理することが大切だということを感じました。
● お金はすごく身近にあるもので、当たり前で、身近すぎて、その大切さに我々人間は気がついていないかもしれません。
●話を聞くだけでなく、ワークシートに記入しながらの講義だったことで、お金の増加と出費だけでなく、自分の将来のことについても考えさせられました。
また、ご担当いただいた先生からのお手紙には、「なぜ、後払いの選択をしてしまうのだろう?」という素直な疑問を投げかけてきた生徒や、家族で今回のセミナーに関して話し合ったという保護者からの反響もあったとのことでした。
プロセス |
内容 |
ポイント |
導入 |
・挨拶の後、「お金のことが好きな人、嫌いな人」と問いかける。 ・これから考えていくのは、その好きだったり、嫌いだったりする「お金」についてであることをアナウンス。 |
・問いかけ 「私はお金が大好きです」 「なんでそう思いますか?」 |
Step1 |
・「財布のお金を増やす方法/減らす方法」について、ワークシートにそれぞれ書き込みながら考える。
板書イメージ お金を増やす/お金を減らす (1)拾う/落とす (2)盗む/盗まれる (3)もらう/あげる (4)仕事をする/仕事をしない (5)物を売る/買い物をする (6)借金する/借金を返す (7)だまし取る/だまし取られる 番外:ギャンブルをする/ギャンブルをする |
・物事には何事も二面性がある ・「お金を増やす」こととは、「お金の減少を減らす(節約)」することではなく、文字通りの意味。 ・(1)と(2)は、相手が誰だかわからない ・(3)と(4)は、相手が誰かわかる(契約・誠実/不誠実) ・(5)と(6)は、相手がわかる誠実な契約 ・(7)は、相手がわかる不誠実な契約/犯罪 |
Step2 |
「契約」 「クーリングオフ」 |
「契約」とは何か 「クーリングオフ」とは何か |
クイズ |
・次の数字を板書して、どんな意味があるか聞く 660 100 0 |
660円→タクシーを利用した場合 100円→バスを利用した場合 0円→徒歩や自転車の場合 「駅から学校に来るという目的は同じ。さて、あなたなら、どの方法を選びますか?」 |
Step3 |
・あなたにとって、「お金」とは? ワークシートに書き込みながら考える。 |
経済的な価値としての「お金」についてを考えたが、それを自分に置き換えてみる。 |
Step4 |
・財布の中味・・・「いくら入ってる?」
・お金の形状 前払いのカード/スイカ・パスネット →なくなったら使えない 現金(紙幣・硬貨) →なくなったら使えない 後払いのカード/クレジットカード →なくても使える。使った分だけ後で払う。(携帯電話料金と同じ) |
・講師のサイフを生徒に渡して、いくら入っているか数えさせる。 現金だけを数えたら、それ以外のお金(プリカ等)も入っていて、それもお金であることを認識させる。 ・クレジットカードについては、「借金」であること、借金先はクレジットカード会社であること。 ・数字を「お金」に置き換える想像力が大切だということ。 |
Step5 |
・「お金で買えないもの」 ワークシートに書き込みながら考える。 |
・「お金で買えないもの」を考えることで、「お金と価値観」について気づかせる ・いろいろな答えが出ても、それらはすべて正解であり、間違いはないということを強調する。 |
まとめ |
・残りのワークシートを宿題とする。 |
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●出だしのところで、いわゆる"つかみ"として、「お金のことが好きな人」と問いかけたところ、半分くらいの生徒が手を上げたのには、少しビックリしました。おそらく大人だとこうはいかないと思います。まだ自分で稼いだ経験のない生徒だから、はにかみもなく手を上げられたのだと思います。
●最初の板書の「お金を増やす/減らす」はなかなかイメージがわかなかったようです。リードの仕方としては「増やす・減らすの」どちらかをヒントとして出して、反対を導くようにしました。生徒には「だまし取る/だまし取られる」という関係が印象に残ったようです。
●財布の中味の計算は、さすがに現代っ子だと思いました。数えやすいように1万6千円を入れておいたのですが、すぐにスイカやパスネットの存在に気づいて、「分からない」と答える生徒がたくさんいました。しかしクレジットカードの存在までは、計算に入らなかったようです。
●「お金で買えないもの」というワークシートには、「買えないものはない」という意見を書き込む生徒がいました。この年頃の子が思いつきそうなことなので、それはそれで否定することはしませんでした。
●最後に、授業の終わりを告げて「今日の授業料500円を集めるから、みんな財布を出して」といってみたら、残念ながら予想に反して「エーッ!」という答えが返ってきました。素直に従ったら簡単に騙されるということを経験させるいい機会になったと思いますし、騙されなく反応があったので、次のようなことをやってみました。
●大阪は振り込め詐欺の犯罪成功率が低いところだそうですが、その理由は「なんでやねん」と返すから詐欺師がたじたじになって退散するからだそうです。この話をした後で、「おかしいな」とちょっとでも思ったら「なんでやねん」というんだぞ、といってから「なんでやねん」を3回合唱させました。相当印象に残ったようで、感想に書いた生徒もいました。
●クーリングオフのときもものすごく大雑把に説明して、あとは3回合唱させました。これも印象に残ったようで、中学の時に勉強したことを思い出したとか、インターネットで調べたという生徒もいたようです。
●試験勉強には一夜漬けという言葉がよくマッチしますが、知識として憶えたことはそれほど長い間、頭の中に滞在しません。面白かったといった感情が入ったものは、それなりに残るものです。自分の経験からもそう思っていますので、合唱などというあまりスマートではない方法をやってみたわけです。しかし、結果的には自発的にインターネットで調べたという生徒がいたくらいで、大成功だったと思います。
事務局長 水上 宏明